涙は目を潤すためだけでなく、様々な目の働きを正常に保つ大切な働きをしています。涙には外界の刺激から目を保護したり、目に入った異物を洗い流したり、目に入った菌を殺菌する作用があります。また、涙に溶け込んだ酸素や栄養を目の表面に浸透させ、目の表面にできた傷を治す力もあります。そして鮮明な視力には涙の潤いが必要です。
ところが、ドライアイで涙の量が不足したり、涙が蒸発しやすくなると、涙の質のバランスも崩れ、様々な目の障害をきたします。
環境の変化や高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、アイメイクやコンタクトレンズ装用者の増加に伴いドライアイ患者も増えており、その数は2200万人ともいわれています。
以下のような症状ではドライアイが疑われますので、眼科での診察をお受けください。
- 目が乾く
- コンタクトが張り付く
- 充血しやすい
- 目に不快感や違和感がある
- 目がひりひり、しょぼしょぼする
- 目が痛い目が疲れやすい
- 目が重たい感じがする
- まばたきが多い
- 刺激で涙が出やすい
- 視力がかすむ
治療方法
ドライアイの原因になってる生活環境を改善する事が大切ですが、ドライアイの治療方法には点眼療法が一般的です。
軽いドライアイの場合は、少なくなった涙を補充する目的で、人工涙液や保湿点眼薬などを使います。最近では涙の成分を増加させる点眼薬も開発されました。
比較的重症のドライアイ患者に対しては、「涙点プラグ」が有効です。涙は目から鼻に流れていきますが、涙の出口(涙点といいます)をやわらかいシリコン製の小さなプラグで栓をする事で涙の流出を抑え、涙を目の表面に蓄える事ができます。
市販薬などを頻回に点眼する事で、添加物の影響でかえってドライアイが悪化ししている事もあります。ドライアイが気になったら、眼科受診をお勧め致します。